come back the outsider


 おざなりにリビングを片付け、ソファに横になったものの、夜の冷気がベランダからしんしんと上がってきて、アルコールが入ってほてっているはずの体も冷え始めた。
 くしゃみ二回目で決心を決めて立ち上がり、寝室に入る。
 窓越しの薄明かりの中、高坂は熟睡しているらしく、微動だにしない。
 布団をはいでやろうかと思ったが、案外おとなしくすみっこに寝ているので、遠慮がちに布団の中にすべりこんだ。
(ベッド、セミダブルにしといてよかった)
 シングルだったらこうはいくまい。
 落ち着いて枕に頭を乗せると、布団伝いに肌の温かさが伝わってくる。
 高坂が寝返りを打った。眉間に皺を寄せて、真剣に眠っている。
(こいつ、喋らなかったら綺麗なやつなのにな)
 千秋は思いながら、思わず手を伸ばし、頬に落ちかかった艶やかな黒髪をのけてやる。
 そしてひとつため息をつくと、酔いの残りに押されて瞼を閉じた。


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