なんやかんや言いながらも、うきうきしながら風呂に入るために出て行く高耶と綾子を見送って、千秋は座布団を二つ折りにした枕で一眠りを決め込んだ。
 雨の中、慣れない山道を走って、知らず知らずのうちに相当疲れている。
 直江もそうなのか、ぼんやりタバコをふかしながら、正規料金を払ってもなおノイズの走る年代物のテレビに焦点が合っていない。
 目を閉じていると、ふと近くに知った波動を感じた気がした。まさか、まさか。
 千秋の無意識がさかんになにかを否定している。
 まさかここで会うわけないはずの、……だれだ、この知ってる気配?







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