人生ゲームを小脇にかかえ、いったん部屋に戻ると、
「……うそ」
 全員が撃沈していた。
 しかも、隣室に宿泊するはずの綾子が、三つ並べて敷かれた布団、高耶と直江にならんで端に納まっている。
「おい直江、ねーさんの宿体はまがりなりにも嫁入りまえだけどいいの?」
 いちおう小突いて聞いてみたが、直江は直立不動の姿勢のまま深い眠りに入っていて、
(いま武田のやつらが来りゃ、おれら全滅だな)
 千秋は暗澹たる気持ちになった。
 仕方なく隣の部屋のキーをとりあげて部屋を出ると、スリッパの音がして、指先に日本酒の一升瓶をひっかけた高坂がやってきたところだった。
「あれ、お仲間は」
「連れて来れるか」
 吐き捨てるように高坂が応える。
「なんだ、対武田連合かと思ったのに」
「貴様らと似たり寄ったりだ」
 たぶんみんな寝入ってしまったのだ。
 確かに、酒をたらふく飲んで温泉に入って、しかも外は台風ときたらあとは寝るだけだろう。心なしか高坂の目元も眠そうに見える。
 ドアにキーを挿しながら、
「じゃ、一戦交えますか」
 言ってからはっとしてみれば、やはり高坂も軽蔑したような目で千秋を見上げていた。







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