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日が暮れてゆく。 紅に染まる街を高台から見下ろしながら、高坂はタバコを燻らした。 何百年、何千年と変わらぬこの夕日の色が照らす眼下の街は、今大混乱に陥っている。 (生と死の秩序の混乱) 露見した闇戦国、憑依された人間の失踪、四国の怪現象。 (だが終わりは近い) 油断はならないが、駒は揃った。 信長、弥勒、夜叉衆。 蘇った死せしものたち。だが。 (生きようとしている) その力が。 運命さえも変えるに違いない。 それを信じなければ、誰がどう言おうとも、『あの光景』へ続く道は変わらない。 (皮肉なものだ) 信じることさえ棄ててきたこの命の、終わり間際にそう思うとは。 |